渋柿と自転車2

渋柿をもらって、再び父さんの自転車の後ろにまたがったアオ。
後ろは特に子供用座席を取り付けたりはしていなく、
でもアオはいつものことだったから気にもしていなかった。

もうすぐ家、という団地の中の坂道に差し掛かった時。
アオはご機嫌よく足をブラブラさせ…そしてタイミング悪く足首から先が後輪に巻き込まれてしまった。

バランスを失って倒かかる自転車。
それでも完全に地面に投げ出されることはなく、
ヘルメットもしていなかったけど、頭を打たずに済んだ。

そのまま近所の総合病院に連れて行かれ、
足は包帯でぐるぐる巻きになってギブスまでされて帰宅した。

骨は全く大丈夫。
ただの捻挫。

「あそこの先生、おおげさだからねぇ」
と言う母さんと一緒に笑えるくらい、元気だった。

その怪我のことは自分自身のことよりも、その後ギブスを外すために病院へ行った時のことの方が鮮明に記憶に残っている。

処置を待って診察室のベッドに座っていた時。
不意に看護師さんたちがバタバタと走っていった。

急患。
工事現場でセメントの袋が落ちてきて下敷きだって。
担架で目の前を運ばれていく男性。
見たこともない、土気色の顔。
あれは人間の顔色?
怖い…!

自分は捻挫で済んでいて良かった…心底そう思った。

そんなアオの物語、まだまだ続きます。
ゆるりとお付き合い下さいね。

つづく。
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する