お正月

アオが小さい頃は、毎年お正月には愛知のおばあちゃんちに行っていたの。
両親とも愛知県内の出身で、親戚一同もみんなその周辺に住んでたな。

遠方に住んでたのはアオたちぐらい。
あと転勤族な叔父さん一家が、時によっては遠方だったかも。

アオの父さんは超マイペースな人で、自分の実家でも母さんの実家でも好きなように過ごしてた。

アオが年小さんの時かな、
同じようにお正月帰省して、
けど仕事の都合だったか、私と母さんより一足先に自宅に帰ったんだ。

その頃、うちにはセキセイインコが二羽いた。
アオも結構かわいがってたよ。

父さんが先に帰るってことで、じゃあ鳥たちのお世話もお願いね、って別れたんだけど。
帰ったら…一羽が死んでた…

えさ、見てなかったんだ。
飢え死にしちゃってた…
母さんは呆然としてた。

その後もう一羽がどうなったか記憶にないのだけど、私が小学校に上がるときには、いなかった。

芽キャベツ

アオは少食ではあったけど、好き嫌いはそんなには激しくなかった、と思う。

覚えているのは、芽キャベツ。

アオの父さんは妙なところが凝り性で、
家でステーキを焼くとなれば鉄の皿をガス台で熱して、ガロニや他のおかず、汁物、ご飯も全部用意が済んでから
鉄皿の上で肉を焼いて木の皿に乗せてテーブルに運んだ。

今時のファミレスによくある、熱々ジュージュー音を立てているステーキが提供される、あんなイメージね。

ステーキ自体はもちろん好きだったのだけど、苦手だったのは決まって鉄皿に一緒に載せられていた芽キャベツ。
キャベツのすんごい小さいやつね。
必ず毎回、載ってた。
苦くて、好きになれなかった。

あの芽キャベツって、何が良いんだろうね?
色合いだけかな。
流行りだったのかな、今ほとんど見かけること、ないよね?

大人になったら芽キャベツなんか絶対に買わない!って、心の中で思ってた。

今食べたら、美味しく思えるのかな…?

食が細い

アオは小さい頃、食が細かった。

量を食べないだけじゃない。
胃が小さいとかいうよりも、食道そのものが細かったんじゃないか、
と思い当たったのは、大人になってからのこと。

というのも、アオは水の一気飲みもできなかった。
夏に暑い中を遊び回ったら、喉が乾くじゃない?
子供がみんな揃って、グラスの水を飲み干す風景。
そんな中に混じって、アオは一口飲んでは息をつき、もう一口飲んでは息をつき。

なんでみんなみたいにゴクゴク飲めないんだろ?って思っていたけど、
つまりは食道が細いから水が入って来るときに空気を吐き出す隙間が作れなかったんじゃないかって思うの。

同じ理由で、水で飲み下す錠剤やカプセルも飲めなかった。
無理に飲もうとすると呼吸ができなくて溺れた状態になっちゃってたのね。

結局これは第二次成長期…小学校卒業くらいまで続いたかな。

アオの家には車がなかったから乗り物耐性も弱くて。
長距離バスに乗るには酔い止めが欠かせなかったのだけど、これも飲むのに一苦労でね。

今、少食なお子さんのいるお母さん、食が細いのは実はそんな理由かも?
少食でも元気なら、成長期には体格とともに食道も太くなるから心配いらないよ。
あくまで個人的経験に基づく話だけどね。

お弁当

幼稚園の行事につきものなのが、お弁当とおやつ。
でもアオはほぼ、おやつを食べられなかった。
それは、食べるのが遅かったから。

ふだんの食事も遅かった。
それが遠足や運動会ともなれば、母さんもお弁当に気合いを入れてくれるし、
けどそうなるとふだんよりさらに量が増えてなかなか食べ終わらない、という。

やせっぽっちのアオを心配して、母さんは毎日少しでもたくさん食べるようにと頑張ってくれていた。

食べきれない時は
「ごちそうさまでした、残してごめんなさい」
が決められた挨拶。

夕飯が入らなくなるからと、ふだんはおやつも食べさせてもらえないことが多かった。
だから幼稚園の行事の時のお弁当も、めったに食べられないおやつ食べたさに必死でご飯を食べた。

友達がおやつも終わって遊び始めているのを横目に、ようやくおやつを口にする…
と、集合時間になっておしまい。

いつもそんな感じ。

ずいぶん後になって母さんが、
「行事の時くらい、お弁当を残してもおやつを食べさせてあげれば良かったね」
とつぶやいていた。

やせっぽっちのアオの健康を、真面目すぎるくらいに考えてくれていたんだよね。
おかげで、アオは健康そのものだったよ。

食が細いのは、第二次成長期に入るまで続いた。

その話はまた次回。

運動会

幼稚園の頃の記憶は、大半が後から親に聞いたことを覚えてるっていうだけで、自分のリアルな記憶として残ってることはあんまりない。

その数少ないリアルな記憶…と言ってもかなり断片的だけど…は、年長さんの時の運動会。

年長さんの時の先生は、若いけどわりと気の強そうな人だった。
優しい感じじゃあなかったね。

正直、好かれてはいなかったと思う。

そんな年長クラスでの運動会。
どんなプログラムだったかは覚えてない。
まぁ、かけっこがビリだったのは間違いないけど。

そして最後の最後に組体操的なものがあった。
練習の時はなかなかうまくいかなかったのよね。
それが、当日はまぁうまく決まった…んだと思う。

終わって席に戻ったら、先生たちがみんなしてボロボロ泣いていた。
感動した、って。
アオの担任も泣いていた。

へえ、そんなに大成功だったんだ。

やった本人はさほど感動もなく。
先生たちの様子を見てふうん、と思ったくらい。

子供なんて、そんなものかもね。

あ、運動会といえばお弁当。
母さんが作ってくれたお弁当を食べるのに必死で、でも少食な上に食べるのも遅かったから、おやつにたどり着けたことなんかなかった。

その話は、また次回。